最後にやってきたのは、
一ノ瀬先輩の部屋。
はっきり言うと、
一ノ瀬先輩もキャラがイマイチ掴めていない。
ノックをして数分後、
先輩が顔を出した。
私がいたのが意外だったのか、
細い目が少し目が大きくなった。
「どうした…?」
ドアの隙間からオッドアイの黒猫が出てくる。
猫……可愛い……。
「それじゃあ最後、蓮先輩クイーズ!!」
「……なにそれ……」
突然発せられた高城君の大声に、
一ノ瀬先輩はジト目で呟く。
先輩は興味無いという風にその場にしゃがむと、
黒猫と猫じゃらしで遊び始めてしまった。
本当に自由人だな……。
「第1問!蓮先輩の初体験はいつ?1.中1 2.高2 3.まだない」
「!?」
先輩がびくりと肩を揺らす。
「ちょっ、高城君…!」
私が止めるのが遅かった。
先輩は耳まで真っ赤にして、
猫をだき抱え部屋に入ってしまった。
大きく音を立てて閉まるドア。
「高城君………」
私は呆れた顔で高城君を見上げた。
一ノ瀬先輩が女子である私以上にピュアなのは、
みんな知ってることのはずだ。
それなのに高城君といったら、
先輩が恥ずかしがるのを楽しんで、
いつも下ネタばかり言っていた。