ルームシェア~7人の王子様~




あれ?
なんか違くない?

そう思ったのは、悠希の部屋にきてすぐのことだった。


「えっと……」


去っていくお母さんの背中を見ながら呟く。


まず布団じゃないし…。
ベッド1つだし…。


「あのクソババァ…」


悠希が小声で言う。



ふふっと笑う。
久しぶりに会ったけれど、お母さんが変わっていなくて安心した。


人も物も、時の流れとともに変わっていってしまう。


でも、悠希も、悠希のご両親も、
両親の亡くなった私に同情することもなく、いつも通りに接してくれた。


「お母さんに申し訳ないし…寝よっか」


閉まった扉を見つめている悠希の背中に声をかける。

すると、悠希が、えっ!?、と声を上げる。


「すみれはそれでいいのかよ!?」


「私…?別にいいけど…」


「ちょっと待てちょっと待て…」


悠希は顔を手で覆いながら後ずさる。
艶やかな茶髪の隙間から覗く耳は真っ赤だった。


「悠希が嫌なら私はこっちのソファで寝 ──── 」


「嫌じゃない!嫌じゃない!けど…」


悠希が真っ赤な顔で私を見つめる。
変だなぁ…。

私が首を傾げると、悠希はニヤッと笑うとボソッと言った。


「手ぇ出さない自信ねぇよ?」