それは、突然だった。
「すみれちゃん、悪いんだけど…。今日は悠希の部屋で寝てくれるかな?」
「へっ?」
私は食後にお母さんから言われた言葉に素っ頓狂な声を出す。
「小さい頃も、よく一緒に寝てたから…大丈夫よね?」
「ちょっと母さん、俺たち、もう小学生じゃないんだから…」
悠希もお母さんとの話のあいだに入ってくれる。
いくらなんでも、一緒に寝るなんて…。
「えー?でも、付き合ってるんでしょう?よくなぁい?」
「あのねぇ、母さん…」
また呆れを全面に出す悠希。
悠希のお母さんって、たまに抜けてるとことかあるし…。
私と悠希が大好き過ぎて、少し変わってるんだよね……。
「でも、もう悠希の部屋にお布団敷いちゃったわよ?敷き直すのめんどくさいわよぉ…」
お母さんがクネクネしながら、
悠希と私を交互に上目遣いに見上げている。
……憎めないなぁ…。
私のお母さんと同級生だって言ってたのに、全然綺麗だし、可愛いし、愛嬌があるし、優しいし……。
なんか…泊まらせてもらうのに申し訳ないな…。
「悠希、私は大丈夫…だよ?」
「はっ?」
悠希が私のように素っ頓狂な声をあげる。
「ほらほら、すみれちゃんはいいって!チキってないで早くしなさい」
「そんな言葉どこで覚えたの…」
お母さんが私と悠希の背中をグイグイと押していく。
お母さんには逆らえないんだよなぁ…。
私は呆れる悠希にクスッと笑った。


