「すみれちゃん、いらっしゃい!」
悠希のお母さんが、語尾にハートが付きそうなほど大歓迎してくれる。
「あれから大変だったみたいだけど、大丈夫?学校は楽しい?」
お母さんが、私の両親のことを言っているのはすぐに分かった。
両親が亡くなった時、1番心配してくれて支えてくれたのは、榊原一家だったから。
「はい。お世話になりました。学校は、悠希もいるのでとても楽しいです」
そう言うと、悠希のお母さんはコクコクと頷く。
「ほんっとうに良かったわ…!すみれちゃんのためだったら、お母さんも悠希もなんだってするんだから!ねぇ悠希?」
「ん?あぁ。そうだね」
スリッパを出しながら、悠希が若干呆れ気味に言う。
お母さんの私依存症は家族公認だからなぁ…。
悠希との結婚を1番待ち望んでいたのは、お母さんだったし。
…結婚するなんて決まったわけじゃないけどね…。
「ささ!上がって!お父さんも2人を待ってるんだから!」
私はお母さんに連れられて、
悠希と一緒にとてつもなく広いリビングに通された。


