しばらくの間、
ベンチに座り、手を繋ぎながら星を眺めていた。
「あっ、流れ星!」
「ほんとだ!」
流れ星を見たあとで悠希と目が合って、
お互い笑い合う。
「なんか、悠希とゆっくり話すのって、すごい久しぶりだね」
「そうだね。すみれはいつも俺より他の奴を優先するからね」
暗がりでも、悠希がいじけている顔をしているのが分かる。
「だって、凛空先輩は悠希より素直だし、琉生君だって面白いし、一ノ瀬先輩だって…ふぎゅっ!?」
言葉の途中で、大きな悠希の手に頬をむぎゅっと挟まれる。
「今は他の奴の話し禁止!」
ヤキモチ…?
それが可愛くて、私はコクコクと頷いた。
「今日さ、泊まっていかない?」
「えっ?」
悠希が星を見上げながら、ふと、そんな風に呟く。
「俺の…実家。実は、宿泊届け出してきたんだよね」
「悠希のお家!?」
私はベンチから勢い良く立ち上がる。
「無理無理!心の準備が!」
「俺の親も、すみれに会いたがってたし…。って…なんの準備?」
悠希がイジワルな笑みを浮かべている。
「いや、なんていうか…。な、なんでもない…けど……」
危険信号がいつにも増して鳴り響いていた。
きっと、襲われる!!!
でも、悠希は立ち上がるついでに私の手を握ると、バーカ、と呟いた。
「結婚してから頂きマス」
その言葉に、私は顔を真っ赤にする。
「変態バカ!」
「いった!叩くなって!!」
私は悠希に引かれる形で、
榊原邸へと向かった……。


