次に訪れたのは、
南條君の部屋。

……はっきり言って、南條君は苦手だ。


扉をノックしてしばらく、
ドアから南條君が顔を覗かせた。


「佐伯?と…なんだ、千尋か」


「なんだってなんですか!?」


ドアが開くなり南條君が放った言葉に高城君が怒る。

南條君は綺麗な顔には似合わないほど意地の悪そうな笑みを浮かべる。


そう、顔だけはいいんだ。
ここの寮のメンツは。


「うるせぇ。佐伯、どうした?」


南條君は部屋からわざわざ出てきてくれた。
騒ぐ高城君を抑えるために。


「あ、うん。話があるのは私じゃなくて……」


「……お前か」


私の言葉に、
南條君は睨むように高城君に目を向ける。


「ったく、なんだよ早くして」


「じゃあ、お言葉に甘えて!琉生先輩クイーズ!!フゥゥウ!」


またまた1人で盛り上がる高城君。

例のごとく、隣の南條君は目を丸くしていた。


「第1問!琉生先輩の口癖はどーれだ!1.好きだよ 2.ヤらないか 3.バカ」


「……バカ……」


2問目にして、もう呆れた。

私は小さい声で答えると、
ハァ、とため息をついた。