ルームシェア~7人の王子様~



「学校はどう?」


ベンチに座って休憩していると、
不意に悠希がそんなことを聞いてきた。


「すっごく楽しいよ。悠希は、まだ生徒会やってるの?」


「うん。一応は後期に引き継いだんだけど、心配だからね」


「へぇ…。中学の時もそうだったよね?」


「よく覚えてるね」


私は中学校の頃を思い出す。
ほんの2年半くらい前なのに、
遠い昔のように感じる。

中学までは、悠希と同じ公立に通ってて、
高校からは、少し離れてしまったけど、
よく連絡をとりあってた。


それが、今はこうして同じ屋根の下で暮らしてて。
本当、人生って何があるか分からないな〜。


中学でも、悠希はやっぱりモテてて、
いろんな女の子から告白されてた。
でも、一度もヤキモチ妬いたことはなかった。
こんな気持ちになったのは、ここ最近で。


「なんか、早いね。卒業しちゃうんだね…」


ボソッと本音が漏れる。
悲しい。
学校から、悠希も、先輩たちもいなくなると思うと、
すっごい喪失感が襲ってくる。


「そうだね。ほんと、あっという間だわ」


「ねぇ、すみれ荘…なくなったり、しないよね?」


私は聞いた。
この前聞けなかったこと。
大好きなすみれ荘のこと。


悠希から返ってきた返事は、
嬉しいものだった。


悠希は柔らかく笑う。


「ったりめぇだろ。なくしてたまるかよ」


よかった。
すみれ荘がなくなったら、
私の帰る場所はなくなってしまう。

凛空先輩の大好きな宝物も、
悠希が守り抜きたかったものも。