ルームシェア~7人の王子様~



「悠希!サルがいっぱい!!」


「あんま引っ張るなって〜」


「悠希!ライオン!!」


「あんまはしゃぐなって〜」


動物を目の前に、
私は悩みなんて吹っ飛んでしまっていた。

悠希は、動物を見るよりも、
私を気にかけてくれていて、
終始はしゃぐ私に呆れていた。


「楽しそうでよかった」


うさぎに餌をあげる私に、
悠希は嬉しそうにそう言った。


「悠希と来れてよかった」


心からそう思って言うと、
悠希は少し驚いた顔をした。


「俺は動物見るより、すみれを見てたいけどな」


「バカ!」


真顔でそんなことを言うから、
私は軽く悠希を叩いた。


悠希は高城君以上に女の子の扱いになれている。

私に、迎えに行くから、なんてプロポーズみたいなことしてるけど、
きっと他の女の子にもそんなこと言ってるんだろうな、と思うと悲しくなる。


しょうがないと思う。

私は彼女でもなければ、
告白できる勇気があるわけでもないし。


でも、二人でいれる時が嘘じゃないから、幸せで。

優越感に浸って、期待しちゃうんだ。