ルームシェア~7人の王子様~



時が過ぎるのは早く、とうとう悠希と出かける日がきた。

今日は、私がお願いして、動物園に連れていってもらえることになった。

動物園なんて、幼稚園の時に行った記憶しかないから、すごく楽しみ。

そして、これもまた私のお願いで、今日は制服デート(?)だ。

なんだけど……


「ど…どうしよう…」


私は時間ギリギリまで髪の毛と格闘していた。

長い髪を巻いてみたはいいけど、
いつもはしないメイクをしたりしてみて、
少しキメすぎたかな…。


「すみれ、大丈夫?体調悪い?」


部屋の扉の向こうで、
悠希が心配そうに声をかけてくる。


「ううん!そうじゃないの…」


いつも悠希と出かけるとき、
こんなに身なりに気を使うことなんてなかったのになぁ…。


「ちょっと入るよ?」


「あっ、うん」


ガチャリと扉が開いて、悠希が顔をのぞかせる。


私は恥ずかしくて、上目遣いに悠希を見上げた。


「かっ…可愛い…」


悠希が私を見てぼそりと言う。

一瞬にして私の顔が熱く紅潮する。


「変じゃないかなぁ…?」


私は心配になって、悠希の前でくるりと回って見せる。


「それは反則でしょ…。俺の前以外では、しないでよ?」


悠希はそう言ってずるい笑顔を浮かべる。
そうやっていろんな女の子を落としてきたんだ…。
私もその一人なんだろうけどさ…。