~ すみれ side ~
「お出かけ…ですか?」
「うん。悠希と二人でどうかな?」
夕食の片付けを凛空先輩と二人でしていると、先輩が唐突に、
来週、悠希と二人で出かけてきなよ、
と言い出した。
「どうしたんですか、急に…」
私はびっくりして先輩に問う。
「いや〜…。最近、あんまり二人で話せてないでしょ?ゆっくりしてきたら?」
「悠希と二人でですか…?どうせならみんなで……」
「そ、それはダメ!悠希と二人で…」
先輩は頑なに、
悠希と二人
を強調している。
「…悠希になにか言われたんですか?」
「えっ?ううん。ただ…、最近、悠希が落ち込んでるっぽいからさ…」
「悠希が…?」
私は食器を拭いていた手を止めて凛空先輩を見る。
「すみれさんに嫌われたかもってうるさくて…。あいつ、すみれさんにゾッコンだから…」
「はぁ…」


