ルームシェア~7人の王子様~



「ちょっと、すみれさん悠希のこと見ててやって」


「あっ、はい…」


頼み綱だった凛空がキッチンに消えていく。
おい、嘘だろ……。


すみれが俺の頬に手を充てがった。

一瞬にして身体が熱くなる。
変に意識してしまう…。


「ちょっと熱いかも…。ごめんね、大丈夫?」


「いや…うん…」


言葉に詰まる。
どうしよう…すみれといてこんなに気まずいのって初めてかも…。


「…見てないから…なにも…」


一生懸命絞り出して出た言葉が、
それだった。


「別に…いいよ…。悠希なら…」


「えっ……?」


思考が停止した。


「ごめん、もう一回言って…」


「やっ…やだ。バカ悠希」


恥ずかしがってそっぽを向くすみれ。
それが可愛いくて横顔にキスをした。


「っ!?」


やっぱり、気持ちを伝えられるのは、
もう少し先なのかもしれない。


でも、少しの間なら、
友達以上恋人未満でもいいかなって、
思うんだ。