ルームシェア~7人の王子様~



「絶対嫌われた…絶対…」


リビングで机に突っ伏した俺を、
凛空が背中をさすって慰めてくれる。


「大丈夫だってば。わざと見たわけじゃないんだから」


わざと見たわけじゃない……?
確かにそうか…。

…でも、正直に言うと見たくなかったワケじゃないけど。


「…どうしよう…どうしよう…」


せっかく、告白しようと覚悟を決めたのに…。


凛空が背中をさすってくれたのと同時に、
リビングの扉がガチャリと開いた。


「なっ…何してるんですか…」


その声にビクリとして顔をあげた。

目の前には、濡れた髪を垂らしたすみれが立っている。

あぁ…すみれを見るだけでおかしくなりそうだ…。


「ん〜、ちょっと傷が深いみたいなんだよね」


凛空がクスリと笑いながら言う。


「そんなに痛かった…?」


涙目で見つめていると、
すみれがパタパタと走ってきた。


ふわっとシャンプーの香りが漂う。


頬が痛いと言うより、
心が痛い……。