「絶対嫌われた…絶対…」
リビングで机に突っ伏した俺を、
凛空が背中をさすって慰めてくれる。
「大丈夫だってば。わざと見たわけじゃないんだから」
わざと見たわけじゃない……?
確かにそうか…。
…でも、正直に言うと見たくなかったワケじゃないけど。
「…どうしよう…どうしよう…」
せっかく、告白しようと覚悟を決めたのに…。
凛空が背中をさすってくれたのと同時に、
リビングの扉がガチャリと開いた。
「なっ…何してるんですか…」
その声にビクリとして顔をあげた。
目の前には、濡れた髪を垂らしたすみれが立っている。
あぁ…すみれを見るだけでおかしくなりそうだ…。
「ん〜、ちょっと傷が深いみたいなんだよね」
凛空がクスリと笑いながら言う。
「そんなに痛かった…?」
涙目で見つめていると、
すみれがパタパタと走ってきた。
ふわっとシャンプーの香りが漂う。
頬が痛いと言うより、
心が痛い……。


