ルームシェア~7人の王子様~



「すみれ〜?あの〜」


もう一度声をかけてみるけど、
やっぱり返事はない。

と言うより、鼻歌に集中しすぎているようで…。


しばらく扉の前でどうしようかと考える。

その間にも、すみれであろう影はするりとスカートを脱いでいく。

…すみれであろうじゃない。
すみれだ。


なんかもう、いろんな意味でやばい。


「だぁ!!もう!」


我慢ならなくなった俺は、
勢いよく扉を引いた。
当然、扉は開いてしまう。

開いたあとで、自分のしたことの大きさに気づいた。


「ひっ……!?」


顔を引きつらせた下着姿のすみれと目が合う。


「あっ…これは…その…」


目を泳がせて必死に言い訳を探す。
けれど、視線は自然とすみれの身体へと向かってしまう。

健全な男子高生だから仕方ない。
目の前に好きな人が下着姿でいるのに見ない奴がいるか!?

けど、そんなことすみれは知る由もなくて……


「ばっ、バカぁ!!」


また、愛の鞭(平手打ち)を食らった。