「すみれ〜?あの〜」
もう一度声をかけてみるけど、
やっぱり返事はない。
と言うより、鼻歌に集中しすぎているようで…。
しばらく扉の前でどうしようかと考える。
その間にも、すみれであろう影はするりとスカートを脱いでいく。
…すみれであろうじゃない。
すみれだ。
なんかもう、いろんな意味でやばい。
「だぁ!!もう!」
我慢ならなくなった俺は、
勢いよく扉を引いた。
当然、扉は開いてしまう。
開いたあとで、自分のしたことの大きさに気づいた。
「ひっ……!?」
顔を引きつらせた下着姿のすみれと目が合う。
「あっ…これは…その…」
目を泳がせて必死に言い訳を探す。
けれど、視線は自然とすみれの身体へと向かってしまう。
健全な男子高生だから仕方ない。
目の前に好きな人が下着姿でいるのに見ない奴がいるか!?
けど、そんなことすみれは知る由もなくて……
「ばっ、バカぁ!!」
また、愛の鞭(平手打ち)を食らった。


