ルームシェア~7人の王子様~


見ると、人影が衣服を脱いでいる影が浮かんでいる。

この寮は、風呂は俺が今入っている大浴場しかないので、時々誰かと鉢合わせることがあった。


誰だろう…?


細いフォルムからすると、
蓮か…?

でも、アイツにしては背が小さい…。

じゃあ千尋か?

そう思っていると、
フサァっと影の髪の毛がなびいた。

髪の毛が…フサァっと。
長い髪の毛が、フサァ……。

……すみれ…!?


俺は勢い良く湯船から立ち上がった。


男どもと鉢合わせることはあっても、
風呂の片付けと一緒に入っているすみれとは、一緒になったことがなかった。


脱衣所からは、可愛げな鼻歌が聞こえている。


…さぁ、どうするか。


隠れる場所がないか、風呂場を見渡す。


残念ながら、小窓が一つと大きな湯船とシャワーが5つしかない。


「…すみれー?」


声をかけるけど、一向に返事は帰ってこない。

俺は意を決して、扉に一歩づつ近づいた。