「はぁ…どうすっかなぁ…」
自分がここまでチキンだったとは、
今の今まで気づかなかった。
小さい頃からそれなりにモテたし、
女子の友達も結構いた。
それでも、すみれだけは特別だった。
すみれの前だと、どうしても自分じゃいられなくなってしまう…。
湯船に浸かりながら、
立ち上る湯気を目で追う。
やっぱり、ストレートに好きって伝えるのが一番いいのだろうか?
でも、どのタイミングで?
寮で二人きりになれることなんてそうそうないだろうし…。
メールか?
でも、同じ屋根の下にいるのに、
メールってのもな…。
電話?
…直接言えって話だよな…。
そんなことをぐーたらと考えていると、
扉を挟んだ脱衣所から、物音が聞こえた。


