ルームシェア~7人の王子様~



「改めて、これからもよろしくお願いします」


御両親が去ったあとのリビングで、
いつものすみれ荘の面々に頭を下げる凛空先輩。

結局、お父さんが考えを改めたために、
凛空先輩は、この学校で卒業を迎えられることになった。


「良かったですよ〜。凛空先輩がいなかったら誰がご飯作るんですか〜」


高城君が柔らかい笑みを浮かべる。


「千尋君はいつもそればっかり」


「凛空がいないと…この寮は成り立たないしな…」


鈴屋君も一ノ瀬先輩も、
こころなしか嬉しそうだった。


「蓮さんの言う通りだな。悠希さんにモノを言えるのは凛空さんしかいない…」


「あぁ?琉生、なんて?」


「ほな、凛空さんの荷物、部屋に戻そうや」


みんな、凛空先輩が残ってくれることが満更でもないみたいで…。


やっぱり、この寮は、
一人でも欠けたらダメなんだ。


私は荷物を2階に運んでいく、みんなの幸せそうな背中を見ながらそう思った。