"そんなの、親じゃない"


そんな言葉の余韻が、
しばらくたっても響いていた。


雨宮先輩の御両親は、
少し悲しそうな顔で遠くを見つめていた。


「と、父さん」


恐る恐る雨宮先輩が声をかけた。


「悪いが、今日は帰ってくれ…」



それ以上の言葉は、出てこなかった。



私達は軽く頭を下げると、
3人ですみれ荘へと帰った。