ルームシェア~7人の王子様~



「お母さんは黙ってなさい」


お父さんがピシャリと言い放ち、
部屋の雰囲気はさらに重くなった。


「凛空が父さんの言う事を聞かない時なんて、高校を決めた時の一度きりだった。お前はいつまでわがままばかり言うつもりなんだ」


「俺は……」


「だいたい、好き勝手やってきて何が今更。少しは──────」


「もう、父さんの言いなりなんて嫌なんだ!」


先輩が声を張り上げた。


「俺にも、かけがえのない友達とか、夢とかあるんだよ。
俺は、父さんみたいになんでもできるワケじゃない。
だから俺は、一つ一つ大切にしていきたいんだ。父さん、お願いします」


深く頭を下げる雨宮先輩に、
悠希がつづく。


「凛空は、生徒会長だった俺を中高って、副会長として支えてくれました。
それだけじゃありません。
寮でも飯作ったり、掃除したり、誰よりも働いてました。
それがわがままだと思いますか?それが好き勝手ですか?
子供って、親にわがまま言って育っていくもんじゃないんですか?」


悠希の真っ直ぐな瞳に、
お父さんが目を細める。