ルームシェア~7人の王子様~



「うっわ!先輩顔」


高城君が悠希の顔を見て爆笑する。


「……愛情の裏返しだ…」


そう言う悠希の顔には、
私の手のひらのあとがクッキリと残っている。


ちょっと、強く叩きすぎたかなぁ…。


そう思っていると、琉生君が小さくグーと親指を立てた。


ふふっと、私は笑いをこぼす。


「あれ?先輩たち、今日学校は?」


私服の悠希と私を見て、
鈴屋君が首を傾げた。


「あ、今日はお休み。用事で」


そう言うと、それ以上は何も聞いてこなかった。


「雨宮先輩、玉子ふりかけ取ってください」


高城君が雨宮先輩に向かって手を伸ばす。


「はい。あ、かけすぎないようにね」


「じゃあ先輩かけてくださいよ」


「なんでよ」


こんな微笑ましい光景も、
雨宮先輩の両親との話し合いが上手く行かなければ、

……最後なんだ。


そう思うと、緊張してしまった。


「お前はそばにいるだけで華だから、あんま緊張すんなよ〜」


悠希がご飯に箸を通しながら、
何気ない感じに言ってくる。


なんだかんだ言って、
最後に私を助けてくれるのは、
いつも悠希なんだよなぁ〜。


そんなことを考えていたら、
いつの間にか緊張は和らいでいた。