「もういっそのこと、帰らないってのはどうですか?」
私は提案する。
「えっ?そんなことしたら、逆にこっちに来ちゃうんじゃないかな…」
雨宮先輩は苦笑いでこの案を却下した。
いい案だと思ったのに…。
「とりあえず、明日にでも、一旦帰ってみようと思う。明後日までには結局帰らなくちゃいけないわけだし…」
「じゃあ、俺も行く」
雨宮先輩の言葉に、
勝手に人のベットで寝っ転がっている悠希がすぐさま答えた。
「いや、いいよ!悠希が怒られても知らないよ…?」
冗談めかして笑う先輩。
でも、悠希は真剣だった。
「それでも、行く」
「……私も行きます」
明日は金曜日。
もちろん学校はあるけど、
それでも、私も行きたかった。
「じゃあ……3人で」
雨宮先輩は、私と悠希の気持ちを察したのか、それ以上は何も言わなかった。


