「……1番の問題は、お前の親だ」
お風呂上がり、悠希と雨宮先輩が私の部屋に来ていた。
悠希は雨宮先輩を指さすと、
呆れたような笑顔を浮かべる。
「退学届け、破っちゃったしね」
雨宮先輩は、あはは、と気にした様子もなく破られた退学届けをヒラヒラとさせる。
……呑気だなぁ……。
「雨宮先輩の御両親って、そんなに手強いんですか?」
私は恐る恐る問う。
「そうだね〜…。俺が長男ってのもあるんだろうけどね」
「えっ?先輩、ご兄弟いるんですか?」
「うん。妹と弟が2人ずつ。3人は小学生だけどね」
5人兄弟!!?
ついつい驚きすぎて、
開いた口が塞がらなかった。
確かに、下にいそうだなぁとは思ってたけど……。
「みんな可愛いよ。って…そんなことはいいんだけど……」
3人は一斉に口を噤む。
それぞれが、なにも考えがなくて、
押し黙ってしまった。


