ルームシェア~7人の王子様~



「一緒に卒業、しようぜ」


少し涙ぐんだ悠希の目が、
雨宮先輩を真っ直ぐと見つめている。



「やっぱり…悠希には適わないや」


雨宮先輩は、いつもの自然な笑顔を浮かべると、両手で退学届けを2つに破った。




「ゆーきぃぃぃい!!」


私は悠希に飛びついた。


「うわっ、ちょい!」


悠希は数歩後ずさり、
私を引き剥がそうとする。


「ありがと。ありがとぉ」


悠希のシャツが私の涙で濡れていく。

悠希は、はぁ、とため息をつくと、
私の髪を優しく撫でる。


雨宮先輩は、ふふっと笑っていた。