ルームシェア~7人の王子様~



……今なら、言える気がする。



" 一緒に卒業できなくてごめんね "


その文字が浮かび上がる。


先輩、
それは、
こういうことですよね…?



「行かないで下さい。先輩……」


私も一言、そう言った。



「……本音言うと、帰りたくない」


先輩は小さく言う。


「ずっと、卒業するまでみんなといたい。みんなに料理作って、琉生と千尋のケンカ見て……。まだまだしたいこともたくさんある」



先輩を見上げる私の頬を濡らす涙を、
先輩は自分のパーカーで拭ってくれた。



「しょうがないって言うのも、言い訳だって分かってる。だけど、もう、退学届けは受理されたし、親だって、俺が帰るのを待ってる」


そっか…退学届け…。


いくら戻って来てって言っても、
そればかりは ───────。