ルームシェア~7人の王子様~




「先輩の……嘘つき……」


先輩の几帳面な綺麗な字に、
涙のシミができていく。


「未練たらたらじゃないですか……」


嗚咽が漏れそうになって、
私はその場にしゃがみこんだ。


「いっつも1番大人なくせに、こんなとこで気を遣うとか、ずるいです…」


「ごめんね、すみれさん」


突然、頭上から雨宮先輩の声が聞こえて、私はバッと見上げる。


そこには、困り顔をした雨宮先輩がいた。


「な……なんで……」


涙を拭いながら私は立ち上がる。


「紙がない事に気がついて戻ってきた。人の手紙盗み見なんて、いけないんじゃない?」


「嘘ついた先輩も、いけないです…」


私は睨むように先輩を見た。


「……ごめんね」


先輩は一言そう言う。