先輩は、ふぅ、と息をつくと、 私の言葉を察したようだった。 「お風呂入ってくるね。また後でゆっくり話そう」 と言って私の横をスッと抜けていく。 「あっ…せんぱ……」 " 待ってください " その言葉も、出なかった。 私の中で、諦めが生まれ始めていたんだ。 その時、 背中を向けた先輩のパーカーから、 ひらりと紙が1枚落ちた。 先輩は気づかない様子で階段を降りていく。 私は恐る恐る紙を開いた。