ルームシェア~7人の王子様~




「悠希…。どうしよう……」


私は悠希の部屋で壁にもたれながら呟く。


雨宮先輩によると、
3日後に実家に帰るらしい。

当然の如く、雨宮先輩の退学届けは受理されてしまった。


先生も、
関わりのない学校の生徒も、
もちろん寮生も、
みんなが驚いて惜しんだ。


「あぁ…」


毎日毎日、私はどうしよう、と言う言葉を口にしていた。


その度に、悠希は素っ気ない返事を繰り返す。


そんな悠希に、
私は肩を落としていた。

もう、悠希も諦めてしまったんだ。



本当に、
しょうがなかったのかもしれない。


そう思い始めていた。


私は雨宮先輩の部屋に行こうと立ち上がる。

それでも悠希は、ベットから足を投げ出して本を読むだけだった。