「悠希…。どうしよう……」
私は悠希の部屋で壁にもたれながら呟く。
雨宮先輩によると、
3日後に実家に帰るらしい。
当然の如く、雨宮先輩の退学届けは受理されてしまった。
先生も、
関わりのない学校の生徒も、
もちろん寮生も、
みんなが驚いて惜しんだ。
「あぁ…」
毎日毎日、私はどうしよう、と言う言葉を口にしていた。
その度に、悠希は素っ気ない返事を繰り返す。
そんな悠希に、
私は肩を落としていた。
もう、悠希も諦めてしまったんだ。
本当に、
しょうがなかったのかもしれない。
そう思い始めていた。
私は雨宮先輩の部屋に行こうと立ち上がる。
それでも悠希は、ベットから足を投げ出して本を読むだけだった。


