「すみれ…」
雨宮先輩がいなくなったリビングで、
いつまで経っても泣き止まない私の頭を、
悠希は優しく撫でてくれた。
「悠希は…知ってたの…?みんなは…?」
絞り出した私の声に、
悠希の手が一瞬、ピタッっと止まった。
「ごめん…。みんなにはまだ…。俺は、夏休みくらいに聞いてた。昨日、退学届け出すって言ってて…」
退学届け。
まだ出していないにしても、
受理されるまでにどのくらい時間がかかるのだろう?
受理されてしまう前に、
雨宮先輩を説得しないと…。
私には、雨宮先輩のいないすみれ荘なんて考えられない。
でも、どうして…?
親御さんに、何を言われたの?
あんなに、すみれ荘が大好きだったのに。
あんなに、悠希といれることを喜んでいたのに。


