~ 凛空side ~
舞台裏で、すみれさんと誠也のバンドの演奏を聞いていた。
すみれさんの歌声が耳に心地よくて、
ずっと、聞いていたいと思ってしまった。
千尋が告白したあの日、
どうなるかとヒヤヒヤしていたけど、
どうにか表面上は元の関係に戻ることができた。
悠希がすみれさんのことが好きなのは、
もちろん知っていた。
でも、
気づかないうちに、
自分もすみれさんに好意を寄せてしまっていて。
親友の好きな人だってわかってる。
でも、そう思っても、
目で追ってしまうもので。
ごめんね、悠希…。
でも、
いくらそう思っても、先輩後輩の関係は超えられなくて。
ついに…この時が、
来てしまった。


