ルームシェア~7人の王子様~



「あの…あなたが、ボーカルの佐伯さん?」


ヒヨリさんが、私に向いて首をかしげてきた。


「あ、はい…多分…」


私は自信がなくて曖昧に答えてしまう。


「本当に、ありがとう。ボーカル継いでくれて。何も言わずに転校しちゃって、みんなにたくさん迷惑かけちゃったから、ずっと、心配で……」


ヒヨリさんは深く頭を下げた。


「ありがとう。本当に……」


何度もお礼を言うヒヨリさん。



「あ…あの…」


私は、ヒヨリさんみたいに可愛いわけでも、歌が上手いわけでもないけど、

だけど………


「私、頑張ります!!」


私だって、
私にだって、

きっと、
きっと………!