ルームシェア~7人の王子様~




「佐伯なら…大丈夫だよ…」


一ノ瀬先輩は、
バイトで女の子達を散々落としたのであろう微笑を浮かべる。


みんなと話せて、
少しだけ緊張が和らいだ。


「が、頑張る……」


私は呟く。

みんな見ててくれる。
期待してくれる。

頑張らなくちゃ……。


「じゃあ、俺たち見回りがあるから、ライブには行くから」


悠希と雨宮先輩が手を挙げながら去っていく。

生徒会の仕事…きっと大変だよね。
もう夏休みも終わったのに、助っ人で手伝っていたり…。


「俺も…クラスの仕事があるから」


一ノ瀬先輩の背中もだんだんと遠くなる。
猫背気味なのに周りの人より背が高くて、かなり目立っている。

逆ナンされり、迷ったりしないで帰れるのかな…。
猫みたいだし…。


「俺も、行くね」

「また」

「じゃあ先輩、また後で!」


琉生君に続いて鈴屋君と高城君も去っていく。


みんな、自分の仕事の合間をぬって、
励ましに来てくれた。


頑張ろう……。
迷ってばっかりいられない。

私は、私らしく、頑張ろう。