顔がどうしても強ばってしまう。
その時、
「すみれー!」
廊下の方から私を呼ぶ声が聞こえて振り返ると、架神君以外のすみれ荘の面々がいた。
「みんな…!」
私は駆けってみんなの元へ向かう。
「今日だよね?すみれさんが歌うの」
雨宮先輩が紳士的な笑みを浮かべる。
「はい。緊張しちゃって、さっきから失敗ばっかりで…」
私は、えへへと笑う。
「昨日突然、明日歌うって言い出すから、こっちだって緊張してるよ」
悠希が呆れたように笑う。
私は、ギリギリまでみんなに歌うことを言ってなかった。
恥ずかしいのもあったし、
みんなが見に来ると言ったら、
絶対緊張しちゃうし…。
「楽しみだな〜、先輩の歌」
高城君がキラキラした瞳で見つめてくる。
「寮でも練習してましたもんね」
鈴屋くんの言う通り、私は寮でも練習していた。
「俺を無理やり付き合わせてな」
琉生君が苦笑いする。
実は、琉生君にピアノを弾いてもらって、
架神君にギターを弾いてもらって練習していた。
そのせいで、琉生君も巻き込んでしまったけど、意外と楽しそうに付き合ってくれた。


