そして、帰り道。
「すごい買いましたね…そっちのも持ちますよ?」
「あ、こっちは俺が持つから。そっちのお願い」
先輩は軽い方の荷物を私に渡す。
なんでこんなに優しいのだろう…。
すみれ荘のみんなにも見習って欲しい。
「先輩、本当に優しいですよね…」
私は歩きながらボソりと呟く。
「え?俺が?」
先輩は訳が分らないといったように首を傾げた。
自覚ないの!?
私も目を丸くする。
「先輩、すっごい優しいですよ!?すみれ荘の皆さんも、先輩みたいだったらいいのに」
冗談めかして言うと、先輩は少し笑う。
「みんな、俺なんかよりぜんっぜん優しいよ」
「え〜?だって、高城君はデリカシーないし…南條君は怖いし……」
先輩は、ははっと笑う。