「そうかな…?人前で歌うのはまだ恥ずかしいかも…。あの曲は作ったの?」
CDではなく、
みんなの映像だったし、
聞いたことのない曲だったのでそう思って問うと、今度は架神君が恥ずかしそうに笑った。
「ボクが作ったんや。らしくないと思うやろ」
私はびっくりしすぎて開いた口が塞がらなかった。
純粋な男の子の片思いを綴った歌詞。
言い方は悪いけれど、
普段の架神君からは想像できない詞。
はっきり言って、
あんなに素敵な歌詞をもつ歌を私は知らない。
「恥ずかしいから、ヒミツな。琉生にも千尋クンにも笑われそうやし」
もったいない、
ただ純粋にそう思った。
「架神君、恋ってするんだ…」
ポロッと本音が漏れてしまう。
申し訳ないけど、
架神君は恋愛に無関心で
破天荒に生きているイメージだったから。


