ルームシェア~7人の王子様~



みんなの顔がパァっと明るくなる。


「あぁぁあ!すみれちゃんありがとう大好き!」


綾瀬君が私の手を握ってブンブン振ってくる。


「おい、初対面だぞ」


東條君がグイッと綾瀬君の肩を引く。


「初対面じゃないよ?昼休みにあったじゃん」


「……うざ…」


東條君は、琉生君と一ノ瀬先輩を混ぜたような人で、
綾瀬君は、高城君と悠希を混ぜたような人だった。


「こいつらは気にしないで大丈夫だよ。分からないことがあったらなんでも聞いてね」


芹沢さんが握手を求めて手を差し出してくる。


手のひらにはマメが出来ていて、
どれだけ本気なのかが伝わってきた。

私も手を重ねる。


「よろしくね」


柔らかく笑う芹沢さん。


みんな、いい人だな……。



「こちらこそ」


私も微笑み返した。


「ほな、練習始めよか!」


架神君はエレキギターを背負うと私たちに顔を向ける。


「すみれは、動画見ながら歌の練習をお願い」


芹沢さんの言葉に大きく頷く。


頑張ろう。

やると決めたからには、
みんなに迷惑をかけないように、
最高の文化祭ライブを迎えられるように。