みんなの顔がパァっと明るくなる。
「あぁぁあ!すみれちゃんありがとう大好き!」
綾瀬君が私の手を握ってブンブン振ってくる。
「おい、初対面だぞ」
東條君がグイッと綾瀬君の肩を引く。
「初対面じゃないよ?昼休みにあったじゃん」
「……うざ…」
東條君は、琉生君と一ノ瀬先輩を混ぜたような人で、
綾瀬君は、高城君と悠希を混ぜたような人だった。
「こいつらは気にしないで大丈夫だよ。分からないことがあったらなんでも聞いてね」
芹沢さんが握手を求めて手を差し出してくる。
手のひらにはマメが出来ていて、
どれだけ本気なのかが伝わってきた。
私も手を重ねる。
「よろしくね」
柔らかく笑う芹沢さん。
みんな、いい人だな……。
「こちらこそ」
私も微笑み返した。
「ほな、練習始めよか!」
架神君はエレキギターを背負うと私たちに顔を向ける。
「すみれは、動画見ながら歌の練習をお願い」
芹沢さんの言葉に大きく頷く。
頑張ろう。
やると決めたからには、
みんなに迷惑をかけないように、
最高の文化祭ライブを迎えられるように。


