「……で、なんでそれを私たちに?」
「この通り。お願いします!」
私は早速、有紀と愛香にボーカルの事を頼んでみる。
「無理だよ。私、幕末喫茶で忙しいんだから」
有紀の言葉に、この学校に働いている人がいますよ。と口が滑りそうになる。
まだ有紀のやつ、幕末喫茶に通ってたのか……。
まぁ、ハマる気持ちもとても分かるけど…。
「あんたのそれは忙しいって言わないから」
愛香は苦笑する。
私は最後の望みを懸けて愛香に頼む。
「愛香は?歌上手いじゃん」
「私は…部活の方も文化祭で出し物あるし、忙しいと彼氏がうるさくて」
愛香はダンス部に所属していた。
なかなか上手いらしくて、センターをやることもあるらしい。
最後の方のは聞かなかったことにした。


