私達は歩きながらカレーの材料となるものを探した。


「あ、あった!私、人参持ってきますね」


人参を見つけた私は先輩の隣を離れようとする。


「まって!俺も行く」


先輩は私の手を掴む。
私は、びっくりして雨宮先輩に振り返った。


「はぐれちゃうかもしれないでしょ」


先輩は私の手を握ったまま、にっこり微笑んだ。


「そうですね…!」


納得する私を見ると、先輩は私を引っ張る形でリードする。

私はつながれた手に視線を落とす。


「ん…?ほら、行こう?」


声をかけれハッとする。


「あ、はい!」


私は先輩の後を追った。


つながれた手から先輩の暖かさを感じながら。