「すみれ〜、誰か呼んでるよ」


昼休み、昼食を食べ終わり友達と駄弁っていると、教室に入ってきた生徒に声をかけられた。

長い夏休みが終わり、補習以来久しぶりに顔を合わせる皆とは話がとても弾んだ。


「ありがと。誰だろ?」


私は席を立ち上がりドアに向かう。
そこにはとても意外な人物がいた。


「か、架神君!?どうしたの?」


そこで待っていたのは、架神君と1人の女の子と2人の男の子のお友達?だった。

いつも半袖短パンの彼が、制服をキッチリ着こなしていて少し違和感がある。


「いやぁ、すみれちゃん。今時間平気か?」


「うん。大丈夫だけど…珍しいね」


そう聞くと、架神君は少し恥ずかしそうに頭をかいた。


「まぁ、なんちゅーか、お願い?があんねん」


「お願い?」


私は首を傾げる。

そこそこハイスペックな架神君に私ができることって……。


「歌ってほしいねん。文化祭で」