「でも、後悔はしてないですよ。先輩に気持ちを伝えられてよかったです。すみれ先輩が悠希先輩のこと好きでも、結婚したとしても、諦めないですよ」 千尋はそう言って自らの武器である満面の笑みを俺に向ける。 「すみれは俺のもんだから、手ぇ出すなよ」 俺は千尋の隣にいたすみれをグイッと引き寄せる。 華奢なすみれがポスっと俺の腕に収まる。 心地が良くて、暖かくて、一番好きな匂いがする。 「すみれ先輩、その人変態ですから離れた方がいいですよ!」 頬を膨らまして可愛い顔で睨む千尋。