ルームシェア~7人の王子様~




俺のその言葉を聞くと、
凛空はいつもの柔らかい笑みを浮かべた。


「やっと、いつもの悠希になった。それをそのまま、すみれさんに伝えてあげなよ」



凛空の笑顔があまりにも優しいすぎて、

どんな時もそばで支えてくれた凛空が、
こんなにも大きな存在だったなんて、
全然知らなくて。


気がついたら、
広げた書類に涙がシミを作っていた。


なんでかは分からないけど、
ポツリポツリと涙が広がっていく。



「ふふ。悠希を泣かしたのなんて何年ぶりだろ。昔は、俺がいつも泣いてたのにね」



そう言われて、
昔のことを思い出す。

小さい頃の凛空は、気が小さくて、
女の子みたいに弱々しくて可愛かった。


でも、いつからか、
俺は凛空がそばにいないと何も出来なくなってて、凛空がいるのが当たり前になってて、


中学でも、一緒に生徒会をこなして、
阿吽の呼吸なんて呼ばれてて…。