「悠希がそんなんだったら、俺が先に告白すればよかったな」
「えっ…?」
凛空の言葉に、息が詰まる。
あぁ…知ってたよ。
お前が、ずっとすみれを目で追っていることも。
でも、信じたくなくて、
目を逸らし続けてきた。
都合が悪いことは、
全部見ないようにしてたんだ。
ただ、その事実が目の前に突きつけられたとき、俺は、きっと、耐えられないだろう。
「じゃあ、千尋がダメだったら、俺が告白しようかな」
やめろ、
その言葉が出てこない。
"親友"だろ?
そんな声が、聞こえてきそうで…。
俺に、止める権利はないだろ?
「別に ──────」
「別にいい。そう言おうとしたの?」
図星だ。
もう、どうにでもなって欲しい。
「いつまで逃げるつもり?そんなんだから、すみれさんも取られちゃうんじゃない?」
あぁ、当たってる。
でも、
これだけは、
これだけは、
約束する。
「俺なら、絶対に幸せにしてやれる」


