「会長…?」
「ごめん、どうした?」
「ここの合計額なんですけど……」
あんなことがあった翌日でも、
いつも通りに生徒会での公務をこなさなければいけない。
夏休み明けにやってくる文化祭の準備や書類の手配で、生徒会室は騒がしかった。
だけど、すみれ荘の雰囲気が
表面上は元に戻っていたのが救いだ。
「あ、ほんとだ。ありがとうございます」
会計の2年生は書類の間違いを修整すると再び持ってくる。
「ん。ご苦労さん。昼食うなら行ってきたら?」
「じゃあお先に行ってきます」
書記や会計、その他の生徒会のメンバーもぞろぞろと昼食を摂りに生徒会室を出ていく。
生徒会室には、俺と凛空だけが残される。
よくあることだから、
どうも思わないけど。


