昨日の光景がフラッシュバックする。
生徒会での公務を終えて、
凛空と一緒に寮へ帰ると、
重い雰囲気の面々がいた。
『どうしたの?』
入り口付近にいた千尋に、
凛空が声をかけると、
俯いたままで答えた。
『俺、すみれ先輩に告白しました』
一瞬、言葉の意味が分からなくて、
息をするのも忘れた。
凛空も、ただ目を瞬かせるだけで、
琉生も、誠也も、蓮も、零士も、
何も言えないようだった。
すみれ荘の面々が、
すみれに、少なくとも好意を寄せていることは知っていた。
だけど、こんなに早いなんて、
思いもしなかった。


