ルームシェア~7人の王子様~

~ 悠希 side ~


「はぁ……」


口から自然とため息が漏れる。


もちろんそれは、
すみれと千尋のこと。


俺は、小さい頃からすみれだけが大好きで、
ずっと、彼女だけを見てきた。


俺がすみれを幸せにしてやるって、
なんの根拠もない確信を抱いてた。


だけど、
すみれは別の分岐点にたっていて、

ああしろこうしろと言う資格は、
俺にはなくて。


もう、なにもかもすみれに委ねるしかない。



俺は幼い時から、
求めるより先に全てが手に入った。

側ではいつも凛空が支えてくれて、
なに不自由もなかった。


でも、すみれだけはいつまでたっても振り向いてくれなくて…。


幼馴染みなのに、
1番近くにいたのに、

全然、振り向いてくれなくて……。



いつか絶対、
俺のものにしたかったけど、
もう、遅すぎたのかもしれない。