「すみれ?」


「あっ、ごめん…。どうしたの?」


目の前に座る琉生君に呼ばれてハッとする。

私、すごいボーッとしてた…。



「いや…。疲れてっぽかったから。大丈夫?」



「あ…うん。大丈夫…」


みんなで囲む朝食。

はっきり言って、
全然会話の内容は頭に入ってこないし、
頭の中からお祭りの出来事が離れない。


あれは…告白…だったんだよね…。

どうしたらいいんだろう。
私には、答えが出せそうにない。


チラリと高城君の席を見るけれど、
そこは空席だった。


「た、高城君は…?」


恐る恐る聞く。


「えっ…。大会だって。……どうかした?」


「えっ、ううん!なんでもない!」


そう言えば、大会って言ってたっけ…。

動揺が顔に出てしまいそうで、私は顔を背けた。


みんなから、
訝しげな視線を向けられていることも知らずに。