ルームシェア~7人の王子様~



「先輩、屋台見えてきましたよ。どこ行きましょっか」


視線を向ける先には、
たくさんの屋台が連なっていた。


たこ焼き、わたあめ、かき氷、ガラガラくじ……


どれも魅力的だった。


「とりあえず、一周したいな!」


私は高城君の手を引いた。
高城君は一瞬びっくりした顔をしたけど、
またすぐ笑って頷いた。


と、その時、
目の前で小さな男の子が転んでしまった。

泣いてしまって立ち上がれそうにない。

私はすぐに駆け寄った。

手をつないでいるので、
高城君もついてくる。


「大丈夫…?」


手を離すと、脇を抱えて立たせてあげる。
だけど、男の子は全然泣きやまなそうにはなかった。


「大丈夫?お母さんは?」


そう聞いても、男の子は首を振って泣くだけだった。


「迷子ですかね」


高城君が男の子の高さにしゃがむ。

顔が至近距離に近づき、ドキッとしてしまう。