そっか…。
陸上部って大変なんだな…。

私は、はぁ、と息をついた。


「あれ?浴衣…祭りですか?」


高城君に問われる。


「あ、ううん。友達が行けなくなっちゃって…。今日はお留守番かな」


高城君は小刻みに頷きながら私の向かいの席に座った。


「じゃあ、俺と行きます?」


「えっ?」


私は思いがけない言葉に瞬いた。


「先輩の予定がないんだったら、2人で祭り、行きましょうよ」


私は身を乗り出して大きく頷いた。


「嬉しい…!」


まさか、高城君と一緒に行けるなんて…。


「ちっ、近いです…。それじゃあ、準備してください。俺もしてくるので」


私はまた大きく頷くと、軽い足取りで2階に部屋着を着替えに向かった。