「じゃあ、俺はサラダ作りますね」
鈴屋君は料理は調理実習くらいしかやったことがないと言っていたけど、かなり上手だった。
包丁も使い慣れている感じだし…。
「あ、キャベツは先に芯を取ると切りやすいよ」
私は鈴屋君にアドバイスをしながら焼きそばを作っていく。
「あの…」
鈴屋君が洗ってくれた洗い物を拭いていると、突然口を開いた。
「んー?」
「彼氏とか…いないんですか?」
唐突な質問に拭いていたお皿を落としそうになった。
「か、彼氏!?いないいない!」
私は咄嗟にそう答えた。
「そう、なんですか…」
「そういう鈴屋君は?今日も女の子達凄かったじゃん」
「いや…あの人達はそんなんじゃ…」
鈴屋君は見られたら嫌なものを見られたときのような顔になった。
あれだけ騒がれたら恥ずかしいか…。
「あと…気をつけた方が、いいです」
「えっ?」
突然雰囲気が変わった鈴屋君を見上げた。
「ここの先輩達…千尋君も、俺も含めですけど、みんな、男なんで」


