ルームシェア~7人の王子様~

その日の夕方。

今日は雨宮先輩が生徒会でいないので、私一人で夕食を作ることになっていた。


何を作ろうかな…


と考えていると、
玄関が開く音がして、
鈴屋君が帰ってきた。


「だいまっす」


ちょうどいいので、リビングに入ってきた鈴屋君に聞いてみた。


「今日、何食べたい?」


いきなり聞かれて、鈴屋君は少し驚いていた。


「えっ…?あ、焼きそば…食べたいっす」


「焼きそば?」


そう言えば、あの日プールで、今度作るって言ってたんだっけ。


焼きそばくらいなら苦ではない。
私は早速作りはじめることにした。



野菜を切りはじめること数分、
鈴屋君がじっと私の作業する手を凝視していた。


「どっ、どうしたの?」


「先輩、俺も手伝っていいですか」


「!?」


予想もしていなかった答えに、
私は目を丸くした。


「あ、いや…迷惑なら大丈夫ですけど…」


「ううん!すごい助かる!だけど、本当にいいの?」


「ぜひ」


微笑する鈴屋君は、
とても可愛らしく見えた。