ルームシェア~7人の王子様~



私は見たままの感想をそのまま告げた。

そうすると、鈴屋君は少しだけ口角をあげる。


「褒めても何も出ませんよ」


「本当のことだもん」


また少し、口角をあげる。

最近、鈴屋君はよく笑うようになった。

出会った時よりも、よく笑うようになった。


鈴屋君が練習に戻ると、
隣にいた女の子が騒ぎ出す。


「零士君が…笑った…」


「うそ…めっちゃ可愛い…」


その声は次第に大きくなる。


「零士く〜ん!!」


あの黄色い歓声は、
鈴屋君に宛てたものだったのだ。


うちの寮の男子は、
何かと目立つんだな…。


私は女の子たちに圧倒されて、その場を後にした。