翌日、
私は水泳部に訪れていた。


泳ぎに来たわけじゃない。

昨日の鈴屋君の泳ぎを見て、少し水泳に興味が湧いたからだ。


部活の見学は自由なので私は柵越しに鈴屋君を見ていた。

周りにも沢山の女の子が見学に来ていた。

水泳部の男子は人気なんだな…。


そう思っていると余計に歓声が大きくなる。


男子たちが泳ぎ始めたみたいだ。
黄色い歓声がまたたくまに大きくなる。


「あ、鈴屋君!」


プールサイドに上がった鈴屋君の姿を見つけ声をかける。


鈴屋君は私の声に振り向き、近づいてきた。

競泳水着で、昨日とは違うタイプの水着なので、ますますかっこよく見える。


「先輩、来てたんですね」


鈴屋君から水が滴り落ちる。


「うん、来ちゃった。鈴屋君、すごいんだね」